隣の惑星マローナは吹き飛んだ
太古に、地球の外側のすぐ隣にはマローナまたはファエトンという名の惑星がありました。地球と兄弟星で地球人と外見が変わらない人類が住んでいました。彼らの文明は地球より進んでいて、無尽蔵のエネルギーを生み出すテクノロジーを手に入れ、繁栄していました。ある時この星の2つの陣営が対立して戦争になり、威力の高い兵器を使用しました。その兵器は地球の核兵器よりずっと大きな割合で、質量をエネルギーに転換するものでした。その結果、爆発は爆薬の反応に留まらず、惑星そのものと連鎖反応を起こして、惑星が吹き飛んでしまいました。よく覚えていないのですが、これをミネルバとか言うそうです。今その残骸は火星と木星の間にあるバンアレン帯になっています。
直前に、命からがら宇宙船で脱出した一部の人々は、自分たちの星が爆発する光景を大変な恐怖で見つめ、後悔の念に襲われたそうです。彼らは地球に移住し、アトランティスといわれる国を作りました。アトランティスはその後ムーとの戦争で大西洋に没してしまいましたが、現在の地球には、それら移住者と、マローナから霊として宇宙空間を渡るのに成功した人たちが転生しています。彼らは、転生を繰り返しても、『地球を同じ悲劇に会わせてはならない』という強い意識を持っているそうです。また、彼らの中にはマローナ人だった時の記憶を持っている人もいます。私の知り合いにも1人います。
現在地球は、国同士の対立が原因の核戦争や地球温暖化で、人類滅亡の危機に直面しています。同じ太陽のもとで人類が進歩する過程では、このような危機に繰り返し見舞われるのです。隣の惑星で防げなかった暴走をどうしたら防げるのか、簡単ではない課題です。
こうすれば滅亡を防げる
これを解決する道として、私は、対立する2つの陣営の優越する一方が、2つの要素を持つことが鍵だと思います。1つは圧倒的な力と高いモラルを持ち、尚且つ政策が開放的でフレンドリーであること。もう1つは、指導者が賢明で人格的に高潔、対処が早く、公私に渡り世界を体現してエゴを持ち出さないこと。この2つの要素を持つことにより、もう一方の陣営に対して、ごく自然に、何らかの形で従属させることができるのです。うまくいっているスポーツの競技団体が参考になるかも知れません。
アメリカはどうか
現在の地球に当てはめると、優越する一方になる要素を多く持っている国の軸になるのはアメリカだと思います。人権意識を持ち比較的高いモラルを持っているといえます。領土的野心を持っていないために受け入れられやすく、世界のリーダーとして振舞うことを、理想としてではありますが心掛けています。
指導者の資質は不安定です。指導者は選挙により選ばれるシステムなので、高い見識を持つか、エゴイスティックな政策を取らないかは選ばれてみないと分からないのです。トランプのようなひどい指導者も有権者は選ぶことがあります。
中国が台頭するが
アメリカは現状では世界一の国力を持っています。しかし、今後もその地位を維持できるかについては、近年の中国の台頭で疑問符が付いています。
中国は人口が多く、GDPがアメリカより高い成長率を示しています。教育と科学研究に力を入れ、科学の分野ではアメリカに迫るまでになっています。通常兵器の軍事力比較でも、東アジアに限定すればアメリカを越える勢いです。
中国の指導者は長いスパンでみれば賢明ではないと言えます。権威主義の体制は繰り返し独裁者を生み出し、独裁者は年を取るとおかしなことをやりだすからです。毛沢東は悪名高い文化大革命を行いました。習近平も今の繁栄を捨てて戦争を始めるでしょう。
先進民主主義国を統合して超国家をつくる
このような状況を打破し、核戦争による人類滅亡を防ぐ具体策は、言葉にすればシンプルです。私は、先進民主主義国が統合して、アメリカの主導で超国家を形成する運動を支持します。ヨーロッパにしろ、オーストラリア、ニュージーランド、日本、韓国、シンガポール、カナダにしろ、国民の能力は高く、モラルも高く、賢明な指導者を選ぶ努力をしています。
最初に作るべきこのような超国家は、中国に比較して、人口で並び、GDPで圧倒し、科学力、軍事力で大きく優位に立ちます。モラルもアメリカ単独よりも高く維持するでしょう。指導者にどんな人が選ばれるかについては不安がありますが、それは超国家を作る時の制度作りに期待しましょう。
超国家には、これらの国に加えて、民主主義体制で、尚且つ設定した条件を満たす国を、スタートから参加させるのが良いでしょう。タイミングを計りながら台湾も是非入れるべきです。設定した条件を満たさない国も準加盟国として参加させ、オブザーバー参加も募るのが良いでしょう。超国家が、全方位で見て魅力的であればあるほど、無理なく、ごく自然に影響力が拡大していきます。
民主主義は超国家を形成するのに便利な制度です。議会と指導者の制度をつくり、選挙で人員を選べば、即席の形が出来上がるのですから。参加国をどんどん増やしていくことができます。超国家としてまとまり、実効性ある意思統一を行うには、超国家に強い権限を持たせる必要がありますが、それにはEUの経験が生かせます。各国の憲法改正が必要になりますが、世界の歴史の大転換の流れが示されれば、世論は同意するのではないでしょうか。
中国は超国家を作れない
中国が超国家を作って対抗することはあまり考えられません。果たしてロシアと統合できるでしょうか。権威主義国家は指導者が全てなので、習近平が全体の指導者になればそれは中国なのです。ロシア人が妥協できるとは思えません。権威主義国家が超国家を作ろうとすれば、結局、強制力に訴えるしかないのです。権威主義国家群が協力体制を整えるかも知れませんが、具体的な行動に際しては、利害が一致しない限り、個別バラバラになることは必定です。各国の指導者はエゴを体現する人だからです。協力体制が発揮する力は超国家に比べれば限定的でしょう。
約束
人類滅亡を防ぐために、先進民主主義国を統合して超国家を作って順次拡大していく。これを約束にすることができれば、分かりやすく受け入れられやすい、と思いませんか?人々がやるべきことは超国家を作ろうと運動すること。シンプルで、今すぐにでも実行することができます。まずはサミットの議題にしてもらうことを目標にしてはどうでしょう。